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[62654] 『閃光花火』〜最終章〜
詩人:Feeling [投票][編集]

埃がかぶってた一本の線香花火に火をつける

今までこの線香花火だけは使わないでいた

いろんな夏があった

夏の夜

夜空に咲く花火よりこの小さな花火を愛した

今はもういない妻との青春の中でも
線香花火は僕らの頬を染めた

子供たちが幼かった頃も家族の絆として線香花火を囲んだ


子供たちがこの家を去っていってからは

この線香花火のゆらめきは失っていた

妻がこの世を離れてから
うすっぺらい人生を一人で辿ってきた

母の死を告げた線香花火

自分に近づいてくる妻と母の足音

それを聞いてこの線香花火に火をつけた


自分が歩いてきた人生(ミチ)を振り返ると何本の線香花火が輝いている


最後の線香花火はまぶしいくらいの輝きを見せて

命とともに消えさった

2006/01/10

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