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[70327] ナツムシ
詩人:松尾 優月 [投票][編集]

並木揺さぶり
刺々しさを振り落とし
台風と道をともに笑う君
優しい秋、涼しさには遠く
木の葉にうつむけば
夏の抜け殻を見つける土の香り

君…
手に持つは褐色の
夏虫抜け殻
たくさんの思いで
その口元いっぱいだよ
一つ
二つと
こぼして歩くから優しい
刺々しさはないね

あの頃あたしといえば
急に育ち人を傷つけながら拾いあつめて
一匹づつ空に
ほうり込んだんだ

そして君には
次期に雨は降り
あたしは跳んだあとに

ここから
ここまでが両手
いっぱいだよ
とどくくかな?
って
確かめるの

2006/03/26

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