| 詩人:花 | [投票][編集] |
季節が巡り 景色が色を変え
僅かに 街並みも
人も 風さえも 違う
目を凝らしたなら
耳を傾けたなら
繰り返す毎日にさえ 変わった何かを見つけてしまう
僕も、 僕も・・・
明日に向かって 歩いてる
何も見えないけど 何も見えちゃいないけど
確かに 確かに
時に引き連られ 歩いているんだ
桜が咲いて
公園を思い出し
(昨日に重ね合せた所で あのベンチはあの場所にはもうなくなってしまった)
新緑が風に揺らぎ
川の辺を思い出し
(昨日に重ね合せた所で 堤防はコンクリートに囲まれてしまった)
街路樹が紅色を付け
あの角の店を思い出し
(昨日に重ね合せた所で 店の姿はもう消えてしまった)
地下から吹く風が
真冬の海を思い出し
(昨日に重ね合せた所で あの浜辺はテトラポットに埋め尽くされてしまった)
忘れたいのに 忘れられなくて
忘れたくないのに 忘れていって
矛盾だらけで 過ごしてる
昨日はもうなくて
行きたくても 行けなくて戻りたくても 戻れなくて
前にしか進めなくて 進むしかなくて
消化しきれない感情を 持て余している