詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
童話を読んで僕は笑った
馬鹿馬鹿しい程の夢物語を僕は笑った
いつからか僕は大人になっていた・・・
幼い頃に描いていた未来
右手に剣を左手に誇りを
いつか僕は世界を守るために立ち上がるんだ。。
積み重なっていく時間の底が色褪せ始めた時
当たり前に見えていた夢が当たり前で無くなった時
僕らは永遠だと思っていた子供の時間を棄てた
現実に足を引かれて
見えない世界を信じなくなった瞳には
何が残っているのか
繰り返し唱えていた夢のような世界には
いつからか夢の中でさえ行くことができなくなった。
いつだって世界は子供の為に在ると信じていた
勇者も魔王もお姫様も
いつだって子供にだけは見えていた
普段と何も変わらない平凡な日常さえも
望めば冒険の日々になっていたんだ。。
大人になりたくないと俯く少年も
いつしか大人の色に染まっていた
変わることも必要だけれど
変わらないものもあるのだと
誰か僕に教えてくれ
子供を棄てて大人にもなりきれない僕の
願いを一つだけ聞いてくれ
誰も知らない秘密の島が在ることを
誰かそっと耳打ちしてくれ
意地も見栄も体裁もかなぐり捨てて
飛び出せるだけの勇気を分けておくれ
童話を読んで心をときめかせ
馬鹿馬鹿しい程の夢物語に立ち向かう
そんな自分の生き方を誇らしげに語れるように