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[86262] 夕闇
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あの日の土手に座り
風に耳を澄ませば

笑い声が高らかに谺する
呼ぶ声 返す声
脳裏に甦る

夕焼け小焼け
真っ赤に染まり
烏も家路に帰る頃

乾いた草の匂いが
鼻を擽る

思い出に身を沈めて
心 縮めて
やり直すなら あの日に戻りたい

垣根に結わえた
赤い風車

クルクルと時を回す



あの日の土手に
寝転んで 一番星が輝きだす頃

もう誰も居なくて
名残惜しく余韻だけ残る

赤の空の上に
黒がかぶさり


もう戻れないと告げる

2006/09/23

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