あの日の土手に座り風に耳を澄ませば笑い声が高らかに谺する呼ぶ声 返す声脳裏に甦る夕焼け小焼け真っ赤に染まり烏も家路に帰る頃乾いた草の匂いが鼻を擽る思い出に身を沈めて心 縮めてやり直すなら あの日に戻りたい垣根に結わえた赤い風車クルクルと時を回すあの日の土手に寝転んで 一番星が輝きだす頃もう誰も居なくて名残惜しく余韻だけ残る赤の空の上に黒がかぶさりもう戻れないと告げる
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