| 詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
想刻の音律は気づけない、新月を連れるだろう。
終末の情景を、連れるだろう。
秋雨の葡萄棚を走り抜け、られなかった先刻。酒をつまみに朽ち果てた心に、法律無視で走らせた輪を停めた。先をみつけられる、かな。
秋雨のひと粒種が渇いた唇に堕ちた。
(くるしかったね、まだくるしいね)
匂いがします。
人の焼ける匂いです。
秋雨は消し去ってはくれません。
誰かしらの、温もりに…
咳き込み、縁遠い。と煙草に、最近傷めている肋骨裏を気にせず灯し、煙突。と涙を季節に委ねた。
(くるしかったね、まだくるしいね)
葬刻。葡萄棚にぶらさがっていた。言葉、一文字から、故。
人は、繋がりあい、存在する。一粒。心あるものが、自身の斎を見て、いた。
葬列。三位一体の棺。
目を醒ましなさい。
あなたを大切にしてる人が
あなたの傍に、過去に触れようとした。
弱いのは全部、誰。という気持ち。
涙は、秋雨の葡萄棚にぶらさがっている。おちることはないのだから。
何から含めばいいのかな
すべて呑みこんだらいい
記憶媒体負荷に
より凍結状態へ
解凍する回答は
飲酒による処理
能力低下電算処
理の結果予備電
源に切り替えた
のだが漏電を回
避できぬまま中
央処理装置破損
秋雨が生身を、慟哭に変えた。言葉にはならずに。
抱きしめることをしたいのだけど…。
辿る実質的距離は
刻々と煙りに巻かれ、噎せるすべてを無理やり鯨飲したのち。
最後に
な
のつく呼び名で、ではなくて
最初に
な
のつく呼び名で、なければならないの
背中に羽根を。そうだ。行かなければ。君の生命ごと包める。持ち合わせた言葉がある。
五十音律の二粒、だけでいい。
回答からの解答を。たくさんの葡萄棚から、ふたつ。
あなたに、あ(a)を。
あたしは、い(i)を。
(くるしかったね、まだくるしいね)
それでいい。それがいい。
呑みこんだ先の答えなの。