詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
He still remembered the sensation of warmth he felt when he touched her hand....
落ちてきた。
秋冬、隣りあわせ、
なにか、感じるんだ。
手をひろげて、だよ。
くるくる、する。
仰ぐ。触れたい。
ほら、なんだっけ?あれだよ。曖昧すぎて、でもさ、感覚がね。ひろがるっていう、一瞬の。溶けきるまでの、なんだろ。
ほら、なんだっけ?いきてるっていう、あれだよ。体温。熱源。それがあるからさ、あ。って、なみだみたいな。溶けかた。
ちがうな。
ほら、なんだっけ?もう一度また逢えるってことで、約束しちゃうみたいな。でも、本当にって不安がおおきいのにね。もう一度また。
そのときに、なんでも、そうなんだけれど。
あ。この感覚。ほら、なんだっけ?なってしまうんだよ。
ほら、また。きた。ね。
ね。なんだろう?
ね。ねっ。この感覚が言葉にならない。
ほら、あれかもしれない。走り去るまでの列車の残光に似た。それを、細かいまばたきをすれば、その、一瞬がとまって見えるってこと。
ねぇ。あたしたちの手のひらに落ちて、溶けきるまでの時間を一瞬としたならさ、いろんなものを受けとめられるんじゃないかな。いろんな本当、それに触れる。
ねぇ。触れたって、こと。これから、触れるって、先のこと。
溶けきったなら、逆巻きできない世界にいるけど。落ちてきたのか。落ちたのか。
ねぇ、歩くときには。独りがいいのかな?いろんなさ。あ、それがあるよ。きみの記憶には、たくさんあるんだよ。でも、でもね。ふたりで、あるきたい。その、ひとつ、の、ことから、きっと、ちがうんだけれど。認め合うみたいな。
ね。見えてる?ほら、あれ、見てよ。ねぇ、
うん、あれだね。見えたよ。
((あ、))
でも、ほら、みて、うちら、ふたりの手。そうだね。
繋いでるね。繋いでいでいこうね。
秋冬、隣あわせの、触れ、溶けあって、抱く。
あたし、あなた。確かな、存在を確かめていく。
あたしたちの、手のひらに、落ちて、溶けあう、までの、時間を一瞬としたならさ、いろんなものを、受けとめられるんじゃないかな。いろんな、本当、それに、触れる。
ねぇ。触れたって、こと。
これから、触れるって、先のこと。
その、あとの、こと、も。