| 詩人:黒木ミニー | [投票][編集] |
真夜中のベネズエラにマンモスがやってきて、ホセはピッコロを打ち鳴らす。繋がれた鎖が泡となりリベラは日本へと歩こうとするがナッパの霊が死の束縛によりそれを止める。リベラは酒を飲んでは語らぬ者の名を呼ぶ、(それは聖者ではなく、ルンペンでもなく、)彼の恋人がいなくなった朝はとても静かな朝だった。その日からリベラは知らぬ者の名に依存していった。ホセはリベラを馬鹿にする。真実を告げどもリベラが名を呼ぶのをやめることはなかった。
ああ、マンモスは沈黙し、ただ俺を見つめる。俺がホセの青狸を処理したことについて彼は嘆いていたのだ。では小さな部屋で増殖し続ける青狸をどうしろと言うのかと俺が問うと奴は鼻からうどんを出して消えた。おまえの心は夕陽のなかで塵となる。(死者の吐息に濡れたマンモスはリベラを突き飛ばし、)遠き昔を思い出した奴は鼻からうどん、うどん汁だ。
おお、日の光が去ってしまうよ ベネズエラ。(リベラがまたひとり消える。)俺は縛られたマンモスに蹴りをいれ、奴は鼻からうどんを出し悶えた。(美しきベネズエラはホセの絶望を抱きしめる…)酒場から酔って出て来たホセは美しい少年を見付け、またひとつの恋をして、そしてまたひとつの恋が終わる。ああ、ベネズエラ!リベラの老犬は主人に噛みつき、ホセは悲しみの歌を歌いながら青狸を増殖させる。(それを人の心、というのではないでしょうか)忘れることのない思いとともに俺は、リベラの老犬を撫でながらまた、泣いてしまった。