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[92866] そそり上手
詩人:千波 一也 [投票][編集]


謎めいた言葉の

ひとつや

ふたつ


もどかしい仕草の

みっつや

よっつ



わたしは恋に不慣れなもので

五万の毒を盛るかも

知れません


けれど

百戦錬磨のあなたのこと

上手く分別なさって下さい


良薬は口に苦し、と云いますものね



嵐も

月夜も

ものがたり

雀も真珠も絵巻物


散らした熱に

映える、あなたです

とどまるあなたを慕いつつ


どうか

くちづけを

数えたりしないで下さい


つまるところ、

なみだの受け皿は

わたしだけなのですから


そら、おやすみなさい


看病の腕前には

それなりに自信があります

氷枕を保って差し上げましょう


揺れる火のように



2007/01/05

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