友達が俺の家で
灰皿をひっくり返した
そこから話しは始まった

あっ！悪りぃ

いや
いいのいいの
この部屋全体がゴミ箱みたいなもんだから
逆に
捨ててくれてありがとうだよ

じゃあ
この部屋にいる
俺達はゴミみたいなもんだな

そういう事になるね
ゴミっていうのはさ
役に立たないからゴミなんだ
一番下の存在
だからさ下向いても何にもみえない
つまり上しか見えないって事
希望しかねぇって事だよ

何かいいなそれ

だろ
しかも気楽だ
誰も振り向かねぇし
期待もされてないし

何か自由な感じだな

それと
ゴミみたいな汚れたものがあってこそ
美しいものも美しくいられんだよ
だって美しいものしかなかったら
比較するもんがないでしょ？
そうするとさ
美しいって観念すら消えちゃうからさ
涙あっての笑顔って事さ

そっか
じゃあ綺麗なもの見た時はゴミに感謝だな！

そういう事！
ゴミが綺麗を引き立てる

何かゴミまで綺麗に見えてきたよ

そうなんだ
本当はそういう事なんだ
無駄なものは何一つないんだ
存在事態に価値があるって事さ

良かったな
俺お前の家に来て
ゴミになれて
なんか
希望があって
気楽で
自由で
綺麗でさ
なんか幸せんなって来ちゃたよ
ゴミ万歳！

ハハッ
お前はアホか
取り合えず
そろそろ吸い殻拾おうぜ

えっ？
ゴミ箱じゃないの？
この部屋

いや
だからそれは別だろ
甘いものが別腹なのと一緒

別腹と一緒か？
なんだかよく分かんねぇけど
お前にはいつも丸め込まれるよ

まぁ俺の得意技だからな
なんでも良い方に
スモールパッケージホールドで丸め込んじゃうのが