| 詩人:黒木ミニー | [投票][編集] |
雲のなかはしろく、風が鳴り響くので俺は雨を投げつける。地獄を回り続ける男が悪いか、裂けた空のむこうは天国か、朝は闇に消えてしまった、夜は光に包まれた。昨日俺は雪になった、濡らした地面が汚れたので神様は怒っていたそうだ。最後に見た太陽は眩しい、俺には読めない文字が溢れだしてきて、沼に沈んでいたのは俺だとようやく気がついた、誰かの指が空に触れるとようやく新しい音楽が生まれる。さあ、来い、新しい人間たちが呼ばれ、俺たちは群れはじめる。酒場からは遠く離れ、おまえとのロマンスに別れを告げる、さあ、歌を歌おうか。姿を消して女に逢いに行こうか、俺を信じればいい。おまえが気をつけることは救済されぬこと、ああ!そうだ!おお!誰かにより救済されぬこと!
二丁目の佐藤さん家の太郎(犬)がいなくなったらしい。太郎が走っている間にも文字はひとつずつ沼に沈まる!佐藤さんは焼かれた矢印みたいに見え隠れ、俺たちは沼底で寒い思いをしているというのに、ああ、おまえは沼に溶けはじめる、霧にはなれずに、ママンの記憶あたりに消えていくのだろう。地獄を掘っては天国へと、組みあげられたミュ―ジックに誘われる!近くに道があるかい、俺たちは音楽のほうへととむかう!振りかえる悪夢よ
死ぬ雲 死ぬ風 死ぬ鳥
なにもかもが死んでは鳴り響いている。(さあ、おいで、太郎! どこへゆくのかわからないのだろう どこへゆく どこへゆくのか どこへ! どこへ!
静かに歩いている俺の姿は地獄にあって、それは間違いのないことだと理解しろ、夜にくずれ落ちる裂け目からの天国 俺たちはそれを待っているではないか、家なんて知らないワン)
太郎は冬の雨に濡れて重たくなって歩いている、鳴り響いている死が太郎のうえを飛び回っているのを太郎は知らない。おお、再びあの鳴り響いている死を取り戻すことが出来たならば太郎は家に帰るのに!
もう何だってんだ、もうすぐ春がくると女は言う。それは最近のことだ、静かな光が返ってきて冬は死ぬ。死のメロディを奏でながら、冬は神の愛を必要としていない。地獄にも誠実な魂はあった!いつかなにもかもが音楽となるだろう、雲のなかはしろく、風が鳴り響くので俺は雨を投げつける。朝は闇に消える、夜は光に包まれる、おまえは流れてしまえばいい!
誰かによる救済なんてものはいらないとね!