詩人:フィリップ | [投票][編集] |
夕焼けに照らし出された
アコースティックギターは茶色い光沢に包まれて
真っ黒な影を作っていた
四角い部屋の
その片隅の方で
ポツンとたたずんでは
時折寂しそうに
色の無いメロディを
僕の耳に入れ込んでくる
いつしか使わなくなり
それはどんどん
錆び付いていったようで
今では完全に色が無い
大事な人がいなくなって
今は触れもしないのに
僕はたまにギターを見る
忘れかけたものを
思い出すかのように
モノクロギター
思い出が一杯つまった
あの弦一本一本が
どんどん色褪せていく
あの眩い時間と共に
君の面影ですらも