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[96214] エーテル
詩人:フィリップ [投票][編集]

広大な宇宙の涯ての
データバンクの中には
目をくらむような
過去現在未来がある

例えば
何も無いこの星のこと


在るのは汚れた海と
大きな砲台の跡と
路上に座り込む子供の姿


上層の空気だけが
ことさら綺麗なんだって
僕は知っている


広大な宇宙に転がる
一欠片の小石が
多分
地球という星なんだろう


空間そのものが
歪み始めているような

とにかく人が沢山いて
微妙に揺れているのを
僕は知っている


過去と現在はともかく
未来はどうなんだろう


本当はデータバンクにも
載ってないかも知れない程に満ち満ちているようだ



風の匂いは鮮やかだった

上層の空気が
降りてきているんだと
僕は思った


深呼吸をすると
体が内部から洗われた

汚いとばかり
思っていたのに


広大な宇宙の
この地球という小石は
本当にわからない星だ


アカシックレコードにも
多分載っていない


そして
神さまが宿っている筈の
あの 上層の空気でさえも

2007/02/13

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