| 詩人:フィリップ | [投票][編集] |
緩やかな風に
そっと吹かれてみると
妙に背中が
温かくなった
いつもいない場所に
今僕はいる
それは体育館の裏とか
職員室の休憩室とか
とにかく
影日向のような場所だ
振り向くと
カメラのフラッシュが
時折、音を立てていた
その向こう側
滅多に着ない礼服を
着こなした恩師たちが
一人一人に握手をして
目に涙を浮かべている
生憎だが桜の花は
まだ咲いていない
打ち上げ会に
初めて参加してみた
とはいえ
いつもの仲間と
いつも話している
お馴染のメンバーで
食べてる時間など
記憶にはない
ただ、その後が
今でも鮮烈に残っている
あの時
僕は手を振った
いつもの朝の声かけとは
別次元なほどに
いつまでも
手を振っていられる
そんな気がした
あのとき
手を振った僕の視界には
僕が手を下ろし
背中を向けるまで
手を振る友達の姿と
ぼやけた景色があった
瞬間メモリー
僕の記憶の中の写真は
瞬きする程の
小さい瞬間に凝縮され
一生
色褪せることなく
揺れるカーテンのように
輝く光の中で
はためいていた