| 詩人:花 | [投票][編集] |
ホームから降り立った先は何処かの雪国
工事中の看板犇めきあって夏には新しい駅に変わる最中
この雪国一番の繁華街には独特の方言が響いて
活気と笑顔が溢れていた
余所の国にでも来てしまったような疎外感
あったかな人情に触れて
迷子になった子供は
家路に着いた
二年も経つ頃には
私もその土地の独特の方言を話し
その土地の寒さに触れ
暑さに触れ
厳しさを学び 温かさを知り
風土と人に恋い焦がれた
再び降り立つこの地のホームで
閑散とした軒並みに
通い詰めた食堂の閉鎖や
老舗といわれた店舗がなくなり無人の店舗が広がる大通り
需要がないのに増える駅前の駐車場
商業地には似合わない高層マンション
独特の方言は
中央からやってきた企業に呑まれた
あったかい笑顔は
家の中に消えた
誰ぞね?
ここは便利さだけを求める処やなかった
あの人達を何処に消したのさ?
誰も守らなかったのだろうか
誰も気付かなかったのだろうか
厳寒も猛暑もこの地の魅力で
独特の方言も人柄もこの地の魅力で
時代の流れに乗ることだけが幸せじゃない
守りぬくことが幸せになることもある
私は 故郷をなくした
後ろ髪ひかれこの地をあとにしたあの日
再びこの地に来る事を待ち望み
会いたかったあの景色に
会いたかったあの方言に
もう会うことは叶わない