詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
ちょっと大げさだけど
君が手鞠くらいにちっちゃかったとき
君のへそとままのへそがつながってたんだよ
その証拠に君のへそにはそのときの痕がまだうっすら残ってる
ってまだ言葉なんてわかるわけもないか
でもわかったみたいに君はキャピキャピ笑ってる
君もママの胸の中が好きなんだな
僕も幼かった頃
良くママの胸に抱っこしてもらったな
でもなんか不思議だな
僕と君が恋に落ちて
この子が産まれて
もうかれこれ十年以上経ったな
懐かしさと切なさの果ては
きっと懐かしさと切なさでしかなく
思い返してみても
振り返ってみても
もう引き返せない深い暗闇が在るだけ
だから僕も君も
いつか親を亡くし
次は僕らの番で
この子もその内
恋人ができ親になり
子を産むのだろう
そしていつかこの子の親である僕らが死んで
この子もいつかあの世へ召される
そしてこの子の孫の代へと
時代は繰り返し繰り返し流れていく
果てしなく淀みなく流れていく
それが君のへそにあるへその緒であり
生きたという
産まれたという証なんだよ
元気な産声と名前を付けるまでドキドキがおさまらないのさ
そして君が大きくなって独り立ちするまで気が気じゃないのさ
そんな気持ち
君もいつか親になればわかるだろう
バカな僕でもわかったんだから
頭はお母さんに似た君ならわかるだろう
子供の大切さとか尊さってものがさ。