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[98627] 風船ライフ
詩人:さんだーそにあ@ [投票][編集]

重い風船

膨らむ密度が、飛ん出く角度が、混ざり合って

いつまでも空に辿り着けない



憧れなんて一欠片すら無い

空が一方的に雲や雨を使って誘惑する



中身が僕な風船は重いくせに浮かんで

空中でも、水中でも関係無しに流されて



沈まない

ただそれだけを願い

ただそれだけの為にある風船



僕は風船にいる

ここからは何も見えない



時間や運命なんて名前の梟が風船と同じ風を飛び

ほどなく風船を容赦なく切り裂くだろう

何の罪悪感もなく切捨てなれた無機物のように



僕の命の詰まった何より僕自身が入っている風船

ひたすら目的も未来も持つこともなく漂う

2007/03/21

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