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[98652] 白い手
その華奢な腕は
小さな愛に溢れていた
さほど大きくはない
その掌と二の腕は
幼い頃の僕を
抱いていた
写真の中の手に
僕の指を接触させてみる
そこから伝わったのは
決して麗らかな
太陽の微笑みではなく
一筋の
一直線の涙だった
戻れない世界は
外界と切り離されて
現実では風が吹いている
バックの公園も
砂塵一つ舞ってはいない
母の白い手は
美しかった
2007/03/21
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