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[99083] 春。
詩人:松尾 優月 [投票][編集]



かぜ。が、
なみ。を、

いちばん。
(ちいさくしたから)

しんとう。
(するようなやさしさで)

つつまれ。
(きょうめいするのは)

はる。が、
(うまれたから)

果実と
百合の
馨りが
甘く
混ざり合う
その空間は
ヴィオラの
曇れ日から
さしこんだ
光りの
幅であり
二分の一の
片割れに
期限は
柑橘色の
夕日と
お互い
知らないふりを
していました

おちるまでが
春と心が知るなら
泣きじゃくる
雨降りあめふり
飴 ならいいのだけれど

僕が見つめた世界
海鳴りのコンフィチュール

ペリエの海風が
向かい合う笑顔に
触れるなら ほら
しあわせの泡はまあるい
その一粒すべてが
眼差しでした


まわれ。まわれ。
みわたせる、たかさまで。

まわれ。まわれ。
はるがすみ。の、そら。たかく。

ほしぞら。みえなくても。
ふゆ。は、すぎて。

いま。このときが、
はるなのです。


海と空を混ぜた中には
境界はなくて抱きしめた先に
春の海鳴りが波が呼びました


2007/03/28

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