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過去ログ  〜 過去ログ(No.139000-139999)を10件ずつ表示しています 〜

過去ログ:

[139001] 手袋
詩人:凪都 [投票][編集]


迷彩色が乱反射した様に
溶け込み混ざり判別不明。
アスファルトはグレー
見上げた空は灰色。
寒空を足早に行き交う。
視界を過ぎてくあのコートは
今年流行りの黒色コート
似たり寄ったりの背丈
誰がどこのどなたでしょう?


無くしたモノを探して
静かに視線はセメントを這う。
人の波に流され行方不明。

じんわり滲む右手をぎゅっと
ひんやり染みる左手でぎゅっと
同じ体温になっても
握りかえし続けます。

わかるトコロに
違いがないなら
判らないトコロは
同じであって欲しい。



2009/01/31 16:03

[139002] 竹の子
詩人:そほと [投票][編集]

にょっきと出てきた竹の子に
明日すっくと伸びるんだろと問えば
そうだと答える
座右の銘はと問えば
あとはいらない
と返された



2009/01/31 15:56

[139003] 母の味
詩人:小さな貝がら [投票][編集]

あったかいよな〜
味も染みてるけど
一番心に染みるな〜

嫁いだ私はもうほとんど
母の手料理
口に出来んよう
なったけど

熱出してダウンして
久々口にした手料理

食欲なくても
何でか知らんけど
母の手料理やったら
食べられて
美味しい〜って感じて

自分が子供やった時は
当たり前のように食べて
有り難みなんか
分からんかってんやろな

有名シェフよりも
高級レストランよりも

うちは好きや
母の手料理一番好きや

あったかいよな〜
味も染みてるけど
心に染みるな〜母の味

By 小さな貝がら

2009/01/31 15:59

[139004] ドア
詩人:そほと [投票][編集]

そっと
しずかに閉めたドア
そっと
流しているなみだ
そっと
なみだを拭うハンカチ

あッ

ドアの向こうに
おいてきた



2009/01/31 16:02

[139006] 風もないのに
詩人:そほと [投票][編集]

田んぼは まだ
れんげ畑で
湖のよう

風もないのに
いずれ肥やしの花の命が
さざなみ立って
乱反射
ただ さえずりの
唄 うたう



2009/01/31 17:04

[139007] ランドセル
詩人:雨ん坊 [投票][編集]

小さな背中に

背負った悩み

2009/01/31 17:43

[139008] 
詩人:そほと [投票][編集]

俺は完全な黒だ
光を全て吸収するから黒
では無い
光を全く寄せ付けないから黒
なのだ
遊離した次元の断層
メビウスの輪に閉じ込められた宇宙
どちらにも居そうで居ない
19個目の死体
それが俺だ
俺の為の葬送曲なら
ブルースにしてくれ
それもムカツクほど
スローなヤツがいい



2009/01/31 17:45

[139010] きんかん
詩人:そほと [投票][編集]

きんかんの皮だけ食べるふしぎ
お薬だよって食べさせてくれるお婆ちゃんは
ときどき きらい
なんにも言わずに食べさせてくれるおかあさんは
ずぅ〜〜っと すき
ぶきっちょに中実までかじって
きゅ〜〜っとしかめた顔のぼくを
うれしそうに見ているおかあさんは
なんだか ふしぎ
甘くって おいしくって にがくって お薬で
きんかんの皮だけ食べる ふしぎ

2009/01/31 17:56

[139011] ガラスの魚
詩人:シンラ [投票][編集]

ガラスの魚が泣きました

りんと音を立て
泣きました

彼の故郷は
湖の中

恋人は
上弦の月


夜の噴水
西の窓辺で

ガラスの魚が泣きました

2009/01/31 17:57

[139012] 人は本音で語れない
詩人:そほと [投票][編集]

よりによって
よりによって一本の茎を
二人のかたつむりが渡っていた
二人は出会い頭に飛び出した目玉を
くねくねと絡ませた後
上と下に分かれて
何事も無く離合は完了した
後には
てらてらと光る粘液質の作り笑いが
音を立てそうな勢いで
乾いてゆく



2009/01/31 17:58
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