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[145000] シアワセの国
詩人:千波 一也 [投票][編集]


「シアワセ」という音で

ひとの死を表す国があったとしたら

「シアワセニナリナサイ」という

祈りの言葉が怖くなる



たとえばお金を指さして

「シアワセ」と呼ぶ国があったなら

「シアワセガホシイ」という訴えの

どこまでわたしは受けとめようか



 (「シアワセ」って何だろうかね


 (わからないことが

 (「シアワセ」なんだろうかね


 (「シアワセ」であるひとも

 (「シアワセ」ではないひとも

 (生きなきゃならないことに

 (違いはなかろうがね



「シアワセ」という音で

ひとの誕生を表す国があったなら

「シアワセモノ」という肩書きは

誰のものにもなるだろう



たとえば悪事を指さして

「シアワセ」と呼ぶ国があったなら

「シアワセガニゲタ」という報告に

どこまでもわたしは喜ぼう



 (「シアワセ」の満ちる国はあるのかね


 (「シアワセ」の満ちる国は

 (理想だろうかね


 (「シアワセ」に満ちていようと

 (「シアワセ」が不足していようと

 (ひとの生きる場所に

 (違いはなかろうがね



「シアワセ」が意味するものを

忘れない国があるならば

ただそれだけでその国は

十分に幸せだろう、




わたしはそう思う


2009/06/26 11:20

[145001] 波紋
詩人:ジャガー [投票][編集]

いつが始まりで

いつが終わりなんだろう

そう、永い夢



関係無い出来事では
何も生まれはしない


薄い青空の下
蒸し暑かった夏に

僕はこうやって
曲を書いたはずさ



君は誰を想って生きている?

多分僕は全く
関係無いだろうけど

きっと影響してる

波紋みたいに




今思えば
馬鹿馬鹿しいね

可哀相に見える?

むしろ情けないか

こんなヤツでごめん




そういえば今日

また君の夢を見たんだ


 

2009/06/26 12:28

[145003] 神様☆★
詩人:カラフルポップ [投票][編集]

あの人想って何回泣いただろう?

こんなんだよ…って自分を否定する言葉
別れ際の最後まで言ってたね

その言葉の意味はもう聞いてやれないね
左手のリングの意味を出会った日から知ってるから

一緒に仕事もこなしたね
不安定な、あの人…手伝ってと言葉ではなく訴える瞳
お互いに恥ずかしがり屋…短いって隠す指先は生活を刻んでた、横目で見るあなたの指先、綺麗だったよ

それでも気持ちを伝え合えたから一緒にいれたんだね

電話の奥で聞こえてくるのは
いつもあなたとその宝物
その一部になりたいと願わない日はなかったよ

しんどい…って口癖、心の奥、自分より辛かったよね
別れ際の最後まで言ってたね

生まれ変わったら早く見つけて…
最後の約束

うん!別れは大好きだったあなたが決めた事
受け取るよ…でも自分の女々しさ、少しだけ許して

お願い神様…生まれ変わったら……





2009/06/26 16:57

[145004] 恋愛の鋳型:ダジュール
詩人:右色 [投票][編集]

ほんの何百年か前に

誰かと誰かが付き合い始めて

仕合せになった


そして


何百年後の僕たちも

誰かと誰かと同じように付き合った


本当はあったのかもしれない

「好き」という言葉が形作る別の関係を

僕たちは想像することが出来なくて


僕たちは誰かと誰かのように付き合い始めた

けれど

誰かと誰かのように仕合せにはなれなかった



恋愛の鋳型に流し込んだ僕たちの愛は

何かの形を成す前に

冷えて固まった

2009/06/29 03:29

[145006] コチニール
詩人:快感じゃがー [投票][編集]

聞こえないの?
助けに来てよ

非常ベル、
ずっと
鳴らしてるじゃない

ワインレッドの空
憂鬱が
重すぎて

はちきれそうだよ

聞こえないの?
助けに来てよ

君にだけは
聴こえるはずだよ

君にしか、

聴こえないはずだよ

2009/06/26 19:22

[145007] 途方に暮れて日も暮れた暮れ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


今はまだ旅の途中だ
焦ることはない
ゆっくりのんびり進めばいいのさ
どうせさ人生なんて一度きりなんだしさ急ぐ理由などない
誰の言葉にも惑わされないで生きれるならばやってごらんなさい キミの自由に

いつのまにかひとりぼっち 町はずれ
夕陽を見にバイクを飛ばした
真っ赤な真っ赤な夕陽が空を染めてた夏
僕になんかの素質があるならば泣き虫の素質とひとりぼっちになれる素質くらいかな
そんな悲しい今を抱えながらも笑える強さが僕の力かな
誰かはみんなと仲良く打ち解けられる力を素質とはいわずふつうのことだと言うけど僕にはなんだか難しくて難しくてしかたないのです

だから気がつけばいつも孤独にひとり風に吹かれ 黄昏の中
ふるえる胸を両手で押さえ泣き出しそうな感情をなだめているの

別にひとりぼっちになりたくてなったわけじゃないし、ね
それを誰かのせいにする気もさらさらなくて
ただなるようになってしまったって感じでして

孤独はいつのまにやら僕の名札のようにつきまとい連れ子みたいについてくるよ

夕陽はただあかくあかく夕陽らしく染まってたけどあれははたして夕陽が望んだ色なのかしら
疑問に思うほど世の中はなんか強制されるものがあり過ぎてたまに自由って言葉を見失う
そりゃ自由な時間はありますよ
だけれどそれはつかの間でさ
ちょっとしかなくてさ
こんな僕
わがままかなぁ
生きていくためにはいつか死ぬとしてもみんなそうやってるようにいやなこと悲しいこと見続けるしかないのかな
目をそらしたくなるような場面がよりどりみどりな現実にいつまでもいるのかな
その狭間で途方もない問いにこたえようとしている
だけれどいつまでもこたえは顔をのぞかせず僕を待たせたまま 僕は何かを待たせたまま 立ち尽くしているよ
さながら途方に暮れたって感じてさ 心は棒立ちさ。

2009/06/26 19:25

[145008] カメレオン
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


人のぬくもりにあふれた優しさなら心は優しい色に染まる
まるでそれは擬態して景色に溶けるカメレオンだ 心はこの世で一番正直者さ、正直じいさんよりもね

悲しいときは悲しい色に染まる
心だけは偽れない
その時々の気持ち次第で正直に染まるのさ
顔色見ればまるわかりみたいにね

心は気持ちと同じ色に染まるのさ
いつだってどこにいたって僕は心に正直
逆らえない
逆らえない
表情では偽れたって
心はカメレオン
その長い舌で蠅を食べるように僕の悪い予感を当てて悲しみにさえ舌をのばす
食いしん坊な心
今日も心はなんらかの色だよ
今日は何色かな
笑えてるけど
笑えてるけど
悲しみなら偽れないから笑えてるということは表情と同じ気持ちで嬉しいんだね
僕よ

カメレオンは僕の中で今日も目をくるくる回しながら
涼しげな木陰でそのなんにでも染まれるそのからだを休めてる
出番がくるまで
本当に忙しいのは気持ちによってコロコロ色を変える心のほうだね
カメレオンは汗を垂れ流し今日も僕と一心同体で肩を貸し手を取り合い働くんだ

ありがとう
カメレオン
君の名は
僕の心
それじゃ
かわいそうだから
名前を付けよう
カメレオン
から借りまして
君の名は
生まれた
あの日から
カメレオン

僕はもう決めたんだ
心は今 バラ色
明日への希望がはみ出している
おさまりきれない喜びが見え見えさ

風向きが乗ってきた上向きに急上昇
僕はもう笑いが止まらない 大爆笑 幸せのまっただなか

不思議なもんだね
悲しい中でも
雨に濡れながらも
滑稽に喜びあふれた顔
はみ出した希望が僕をそうさせている
カメレオンは七色に点滅しながら光り輝いてる
光り輝いてるよ。

2009/06/26 19:59

[145011] happyend
詩人:はちざえもん [投票][編集]

私が死んだのは五年前の事だった。
それはそれは鮮やかな季節で、
花は咲き誇り
全てが輝いて見えた。

愛する人は私の手を握り、「ずっと一緒だね」と微笑んだ。
私はと言えば季節の彩りの中で
幸せとは何であるかを知った気がしてた。

信号が青に変わると
私は繋いでた手を離して
前に、踏み出した。

happyend

なんとなく口ずさむ、あの歌。
見上げていたんだ。
綺麗な空や新緑の若葉、その総体としての風にそよぐ街路樹を。
私の顔を覗き込む貴方の悲しげな表情が
邪魔にさえ思えた、そんな美しい季節だった。
少なくともその表情は貴方には似合わない。
そう声をかけようとしたけど、
声にならなかった。


それからずっと動けない。
「あの信号が変わったら…」
そうしているうちに季節が過ぎて
雨が降って、信号が赤に変わった。

それでも私は動けない。
貴方の笑顔が思い出せない。
たぶん、それだけの事だと思う。
私がここを動けない理由。

2009/06/28 23:29

[145012] その先 未来 過去
詩人:裕樹 [投票][編集]

大きなタマネキを背負っても泣けなくて
辛いことから逃げだした僕に
幸せになる権利はあるのかな…

もう何年立つだろう
振り返ると過去がそこにいて
いつまでも僕を蔑んで笑っている

僕はいつまで大きなタマネキを背負ってないといけないんだろう

わかってるさ
自分に向き合えないだけで
今も逃げ続けていることくらい

2009/06/26 22:56

[145013] シャッター速度を遅くして
詩人:MARE [投票][編集]





***


あなたが一人で泣くとき

あなたが一人で泣くとき




その涙は行く当てもなく

あなたの瞳にたまるだろう

その滲んだ一瞬の景色を

シャッター速度を遅くして



滑る光を伝って 涙は落ちるよ


部屋の外は全て

そう 全てが走り去る


あなたが一人で泣くとき

あなたが一人で泣くとき


その一瞬をあえて

アーティスティックに

私に残して





***

2009/06/27 05:33
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