詩人:カスラ
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渦巻き星雲のひとつの腕の端から その中心を眺めると
彼方から届く淡いひかりは もしかしたら もう今は失われた過去の物語
それでも不条理で理不尽な道程は 決して届かない言葉を未来に向けて 打ち出さずにはいられなかった
8月29日にはじめて その朧げな昨日からのメッセージは
どこか遠いところへ連れて行ってと言っていたね
いいよ 連れてゆく そう言ったら
もう帰って来られない旅だよ とも言っていたね
その時 永遠の時間の内に取り込んでしまえていたらこんなふうに 探さなくても よかったのにね
したり顔のよけいなお節介どもがしやしやり出て
この腕にまとわり着き 最後の魔法を使えなくしたから
円環のうちに最悪の後ろ姿こそが 光に背中合わせしていることを 指し示してあげられなかった
今も遠くたよりない世界に彷徨っているなら
消えゆくような かそけき信号を
もう一度
その澄み渡った闇から 届けては くれまいか
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