|
詩人:碧龍
つい口に出た
言葉なんだ
ドアを開けて
今はあなたが一人で
暮らす部屋に入ると
「ただいま」と
以前のように
さらりと言っていた
あなたの見開いた
瞳から
涙が数適溢れ落ちてゆく
一瞬止まった時間を
また動かして
あなたの頬を撫でたら
涙を流したことに
やっと気づいて
洗面所に逃げてしまった
チェストの上には
喧嘩の原因が
転がっていた
返してもらったのか…
何で離れて
暮らすことになったんだか
わかんねえ
もう帰るからな
あなたの居る場所へ
当たり前に
「ただいま」を
あなたに言えるように