詩人:地獄椅子
擦り減らしては尖らせて。
削られながらもフックを離すな。
子供ながらに描いてた。破滅的願望の絵空事を日記にして、毎日のように、世界への復讐計画、したためた。
人類滅亡の日を、刻んで刻んで、飽くこと無き幻想のスクリーンに映写した。黒い旋律の序曲。
胸にも居ない両親の面影。影のように朧ろ。
密やかに呼吸する肺の機能が、明日という日を形成する。
シュールな悲しみを誰が止めるのだ。
名前がいけないのか。
苦しい、父よ、俺はまだ生きている。
淋しい、母よ、幸福という文字が、俺の脳を酷く渇かすのだ。
今日も人を壊した。
日記の中では、あいつもこいつも、もうヒトデナシだよ。
丸くならないように、俺は鉛筆の芯を真直ぐに鋭利に伸ばすんだ。
生まれた刻から鳴っている、黒い旋律。
悩ましき序曲。
どんな協調も、俺には許されぬ。
強く抱きしめよ。
どんな愛の歌よりも激しく、クロスオーバーする俺の波動。
温い風潮を冥土へと、送り出せ。
…俺ガ子供ダカラッテ皆ハ笑ッテイルケド、ソノウチ手遅レニナルゼ。
日々成長スル俺ノ波動ガ、オ前等ニ闇ノチケットヲ手渡ス事ニナル。
今ノウチ笑ットケ。
今ノウチ笑ットケ。