詩人:ラヂオ少年
満月の浮かぶ空から一つの星が落っこちた
その星は自分の位置からまっすぐ海に落っこちた
おかげで星座を探していた小学生は困ってしまった
僕は今夜星が一つ落っこちることを知っていた
そして星が落っこちることで起こりうる最悪の事態を出来る限り想像していた
世界から色が無くなるかもしれない
音が無くなるかもしれない
星は呆気なく海に落っこちた
バケツの水に落っこちる線香花火の最後に似ていた
世界は何も変わっていなかった
僕は月明かりと地球の鼓動の中にいた
リボンの結び目が変わっただけだ