詩人:愛勇者
街中の喧騒
やれやれと足を進める
おひげの垂れた
黄色い猫
本日も晴天
草むらの奥に作った
初恋さんの
灰色墓標
肌色に噛みつくと
ふわっと浮かんだ赤色が
綺麗で好きでした
怒ったような笑ったような
そんなほっぺたで
宝石みたいな赤色を
なめてもいいよなんて
白い腕を揺らしてたよね
その時だけは鉄っぽいそれも
美味しかったんだ
今さらお腹が痛いけど
此処には君がいるの?
落ちた涙。君が泣いてる
間接の喧騒
とぼとぼと足を進める
尻尾も垂れた
おじさん猫
本日は曇天
休まずに通い続けた
初恋さんの
灰色墓標
お土産は季節毎
違えど決まって赤色の
お花を贈ります
怒ったような笑ったような
そんな太陽が
散りばめられた赤色を
おやすみなさいなんて
白い風で揺らしてたよね
眠りについた黄色い猫は
夢を見たそうな
赤色煌めく花畑
黄色く揺れた花は
笑っていたよ。僕は向日葵
街中の喧噪
やれやれと足を進める
誰にも見えない
黄色い猫
本日も真夏日
向日葵の傍に寄り添った
初恋さんの
赤色墓標