詩人:迷い猫
子供のあたしは
夢のない大人にはなりたくないと
そうずっと思ってきたけれど
もう夢のない大人になりつつある自分に
気づかないようにするわけにもいかなくなって。
大人の考えが分かってしまった時
人は、子供への戻り方を忘れてしまう。
若者が年寄りの意図を理解できないのは仕方ない。
が、年寄りが若者の心を忘れるのは罪だ。
キラキラのままに保った子供の心を持ち続けて
大人になっていきたいのに
子供の頃の記憶は
思っているより早く
暗闇に押しやられていくの。
そんなつまらない
灰色の大人にはなりたくないと
心から願い
ならないと
誓ったはずのこの心も
もう色を失いかけている。
流れゆくこの時の中で
このまま色あせるのは嫌だ。
いつまでも
キラキラのままの心を持って
綺麗な大人になりたい。
澄んだ水の碧のように透明で
遠い空の面の様に多彩な
そんな心をいつまでも
一人必死に守り続けて
綺麗な大人に…
なりたい。