詩人:今田コボ
夕暮れの風が皮膚に冷たくあたる頃さざ波がわたしの足をさらっていく水にうもれた死はゆっくりと潮をひいていく(ゆれる)悲しみに消えてしまった夕焼けわたしを照らすものは無に等しいわたし悲しみの夜に犯されている(また訪れた夕日)(知らない風の声がする)ひたひたと音を立てて流れる死を横目で見送る知らないうちに海に埋もれてわたしはわたしの区別のつかない所へいこうとしている(海の向こうは暗闇)