詩人:涼暮
君は知らない
きっと、これからも
こんな気持ちは
知らないだろう?
君に思いを伝えたとき
どんなに不安だったか
どんなに揺れていたか
手が震え、逃げ出したい衝動を何とか叱りつつけた
軽蔑を、何よりも恐れていた、あの気持ちを
知らないだろう?
君の思いが僕の気持ちを重なったとき
思わず抱きしめた僕が、どれだけ嬉しかったなんて
背中に回った手に、泣きそうになっただなんて
知らないだろう?
君の言葉が、どれほどの支えになっているか
その言葉がどれだけ僕を救ってくれたか
今その言葉が、僕を優しく包んでいてくれることも
知らないだろう?
初めて君を抱いたとき
わけもわからず泣いてしまったなんて事
言い表すことも難しい想いに、嬉しくて、切なくなって
それを愛しく感じたことなんて
知らないだろう?
君と歩くたび、優しくなるなんてこと
今まで他人に、触れることすら拒絶していたのに
こんな風に、誰かと歩くことを想像してさえいなかったのに
君は知らない
知るはずもない
僕の全てを
君を愛することができる日々の意味を…