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[135867] 石と少年

詩人:音羽

淀んだ景色の中に
白く光る石を見つけた

その石は何ものにも傷つけられることなく
ただその存在を謳っていた

驚く程に鮮明なその光景は
記憶の中だけに刻まれて
現実なのか夢なのかさえも不確かなままだ

そうだ思い出した
その石を拾った少年を
少年は石を拾い上げると
喜びとも悲しみともつかぬ表情で手の中を見つめる

そして記憶はそこで途絶える


その先どうなったかは誰にも分からない

選ぶ事ができるのは今前を向いている者だけ

気が付くと手には光る石を握っていた

少年の目をした大人はその足をゆっくりと前に出した

2008/12/09 (Tue)
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