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[117160] 遠景

詩人:夢野咲道

逝く夏を送る野辺に 君の笑顔が花を散らす
眩しくて かざした指の隙間からこぼれる
木もれ陽の向こうには 秋
夢遥か遠く想いの彼方 二人たどる道もない

悲しみを振り返る時になぜ心だけが
閉ざされた 風景を映す?

移り行くものを季節に例えて
惑う間もなくやがて冬が来れば
流れ行く時を想い出に変えて
過ぎて行く日々を悲しみで数え
辛くなるからと君が手を振った
見送る僕だけ今もそこにいる



静けさは悲しみだけ呼び止めては 繰り返す夢の続き
モノクロのラストシーンに 演じてた二人の
終止符を打つ それは秋
いつの間に変わる そんな人の心を誰が知るだろう

さりげない君の優しさが 心に突き刺さる
サヨナラと いっそ言えば良い

移り行くものを季節に例えて
惑う間もなくやがて冬が来れば
醒めてゆく愛は木枯らしの中で
想い出の枯葉を又ひとつ散らし
誰のせいでなく心は離れて
いつの間に君は笑わなくなった



移り行くものを季節に例えて
惑う間もなくやがて冬が来れば
出口の見えない夜のしじまに彷徨い
君の名を叫ぶ 君の影を追う
二度と戻らない永久の扉の向こう側
見送る僕だけ今もそこにいる

2007/12/19 (Wed)
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