詩人:ハト
電車のなかで
ふと気付く
この人はなんて
なんてきれいな
ひざこぞうをしているのだろう
それに比べて
ジーンズに隠れた
私のひざこぞう
子どものころ
しっかり前をみて歩けなくて
転んで泣いてばかりいた
私のひざこぞうは
所々色がかわり
転んで泣いてばかりいた
私の向かいの席に座る
きれいなひざこぞうをした
この人は
もしかして
転んだことなど
ないのだろうか
それに比べて
ジーンズに隠れた
私のひざこぞう
不意に重なる手が見えて
薬を塗ってあげようね
しみるけど我慢してね
不意に重なる手が見えて
ああ
あの人は元気だろうかと
懐かしい気持で
一杯になりました