詩人:礼宮月過
こんなちっぽけな、ちっぽけな機械に
運命を左右、されたくないのに
ないのに、わたしは
こんなちっぽけな機械に頼る
手にすっぽりと嵌る機械に
機械と言うのすら違和感がある、
機械に頼って、君とはなす
声なんて聞けないけど、君と、はなす
たまにしか、ほんのちょっとしか逢えないから
いつも、こんなちっぽけな機械で、
必死に、きみとはなそうとする
満足なんてできないけど、
こんなちっぽけな機械で、
きみと、わたしを、繋げようとする
はなしたいから
はなしたくないから
話したいから
離したくないから
きみがわたしから遠ざかりそうだから、
必死に言葉で繋ぎとめる
わたしには、これが必要だから
このちっぽけな機械がないと、
きみとわたしを、繋げないから
きみはそれにも応えてくれない、時もあるけど、
きみは繋がりを拒否しないから
これだったら、こんなちっぽけなものなら、
きみは嫌がらないから
わたしは、こんなちっぽけな機械で、
きみと、わたしを、繋ぐ