詩人:evans
雑踏の道端に健気に咲く いちりんの花
雑然とした部屋の片隅 小さな花瓶に
ひっそりと咲く いちりんの花
この風景に こころ洗われないものは
誰人としていない
ここにも社会の嵐の中に咲く
ひとりの花
このストレス多き現実社会
いったい どれほどの人びとが
あなたに癒されたことであろう
カスミソウの咲くころ
遠く みちのく岩代に生まれ出でて
今日までの65星霜
あるときはガンと闘う病院で
あるときは総合病院で
あるときはメーカー医務室で
看護士として
産業カウンセラーとして
衛生管理者として
みなに勇気と希望を与えつづけた
いつも笑顔で
いつも冗談を飛ばし
ときに毒舌の中にも
感じる温かみと慈愛
いよいよ第二の人生の幕開け
この現実社会に さく 花
あなたという花を
ひとは とわに わすれまい