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[12129] 祭りの金魚と風鈴と

詩人:老女と口紅。

ド― ン




尺の大きな花火の音で‥ 呼吸が少々早くなる

夏祭り、神社はにぎわしく早く行こうとウチワの中の赤トンボ

ママの手から 駆け出し離れた水色浴衣の女の子

目を細める母親‥



遠い記憶がよみがえる
自分も体験したあのころの幼かった私‥
母に手をひかれ かぶったお面から見上げると
そこにはいつも母親がいた

昭和の初めの母親が いた…

あの日の私も母の手を振りほどき 人込みに消えた
夢中になっていた私が振り返ると そこから母は消えていた

祭りも、人込みも‥


私の母親の記憶もここで消えた
ぎゅっと握り締めていた金魚と風鈴とともに…‥


2005/11/06 (Sun)
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