詩人:ならか
嫌だ
嫌だ
あたしは今
願うのみ
今日友達が学校に来なかった
来れなかった
友達は事故に遭ったらしい
最初は、みんな思ってた
たいしたことない
しばらくしてドクターヘリの音がしてきた
うちの学校の運動場に止まったらしい
事故に遭った彼はそのヘリに運ばれたらしい
うちの学校は公立病院の横にあるのに
彼の症状は公立病院ではてにおえなかった
ヘリは遠くの大学病院まで飛んだらしい
担任が教室に入ってきた
誰かが担任にたずねた
『(症状)重いの?』
担任は答えた
『お前…重いとか…意識が……』
担任はそれ以上は言うことが出来ず、目を手でおおった
みんな、それで察してしまった
彼はバイクで電柱に突っ込んでしまったらしい
ヘルメットは頭から外れていた
担任が病院へ向かうため
教室を去った後
誰もしゃべらなかった
誰もしゃべれなかった
6時間後、担任が帰ってきた
彼は以前意識不明
額の頭は骨折したため出血・脳は肥大してしまった
倒れた時バイクが胸に乗っていた、
レントゲンに移った片方の肺は真っ白だった
助かる可能性は3割
助かった後の後遺症の可能性大
人の死をこんなに身近に感じたのは初めてだ
あたしだけじゃない
この教室にいるみんなだ
あとは祈るしか出来ない
だから
みんなで千羽鶴を折ることにした
隣の親友も
隣のメガネの優等生も
左斜め前のリーダー的な存在の娘も
みんなあなたの生を望んでる
祈ってる
頑張って
戻ってきて
何も出来ないけど
願うから
祈るから
頑張って