詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕はいつも言われるんだ
君にいつも言われるんだ
『またシャツが反対だよ』と言われるんだ
なぜだろう
言われれば言われるほどに
安心しきってどうでもよくなっちまう
だから心まで裏返し
でもさ
君がいなくなってから
僕は間違えなくなったよ
なぜだろう
不思議だね
いつもなら君のこの一声
『またシャツ反対だよ』って聞こえんのに
不思議だね
ちゃんとしちまってさ
ほんとに不思議だね
わざと間違えたら
もう一度君に会える気がして
あの声で叱ってくれるような気がして
それでも還ってこない貴女は空の上。