詩人:トケルネコ
僕らは胸に砕けた花瓶を抱いて
性懲りもなく日々を枯らしてく
水をあげることもなく 立派な花を望み
添い寝する相手もなく 自分だけ抱き締めて
そして 曇ったカーテンを透かして見る
終わりゆく一日を 流れ去るままに
輝く星を追うのも無駄と 瞼を閉じて
さながらそれは時の結晶のよう
静かに風景を凍らせる 冷たい海の底のプランクトン
切ない記憶にナイフ 伝う壁の溝
零れる希望と蓋 歌う暁の枕
だけど最後は諦めの声しか呼べない
終わらない月日を 限りある命を
咲かす術も知らず 手の平を閉ざし
望んだ景色も 描きたかった憧憬も取り零し
枯れてゆく… 温めていたストーリーも引き摺った足跡も
全て消してしまうの? 届かないと 光を閉ざして
ホントの雨の下を歩むこともなく 華やかな虹を望み
誰かのために嘆くこともなく 誰かが振り向いてくれると信じて……
僕らは願いの傍に朽ちた花束を添えてしまう
すべてが壊れてしまうなら 何もいらないかのように