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[117839] 花散る

詩人:はるか





静かな音楽に促され


焼香の匂いの染み付いた部屋を出る


出口には生前のスナップ写真が


家族という微笑みの輪の中で


刻んできた歳月と共に飾られていた




亡き人の暮らしぶりは


話でしか知らないが


人の生き様というものは


終わった後で見えてくるのかもしれないと


悼む声を聞きながら黙偲する




佳き日、悪しき日


平坦な道ばかり歩める訳もなく


身心を砕きつつ


それでも生きる




送る者、送られる者


今少しの思いはどちらが勝るとも言えず


心残りはなかったかと


ただ安ずるばかりだ




孝行したい時に親はなし


近頃、気弱な台詞の多くなった母が


被って見えた






2007/12/28 (Fri)
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