詩人:Bob
暗い道を歩いていた
目指すモノは光
奴が歩いていた
しがみついたのは僕
『あぁ、助けてくれ』
手を伸ばしたのは僕
微笑んだように
見えたのは気のせい?
奴は手を振り払う
『寒いんだ』
再び伸ばす手
向きを変えたのは奴
『重いんだ』
伸ばした手には手枷
歩き始めたのは奴
『待ってくれ』
つまづいた足には足枷
小さくなるのは奴の姿
光に包まれたように
見えたのは気のせい?
奴は暗闇を指差した
あぁ、気付いたよ
この手枷を嵌めたのは自分
あぁ、気付いたよ
この足枷を嵌めたのも自分
鉄鎖で繋がれた重り
のしかかっているのは想い
今まで踏み付けて来た
人々の怨み
今まで押し殺して来た
自分の情念
この鎖は断ち切れない
また増えていく枷
また重くなる重り
もう体は動かない
増えていく鉄鎖
やがて目さえも覆う
最後に見えたのは
奴の涙
あぁ、なんだ
奴の体にも鉄枷
奴も自分で嵌めたんだ
誰だって人は
自分で鉄枷を嵌める
ほんの少しの安堵
飲み込んだのは暗闇
何も見えない世界
僕の心には光