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詩人:是清。
灰色の町並み、
誰が何を誰が誰を欲しがるのか回転、
駆け回り飛び回るヒトの群れ、群れ、群れ、
誰も誰もが、迷子、
愛し愛されることは何誰が誰に敵意を抱き此の様な惨事を招いてしまつたのか夢を見るのか然様ならなのか
可哀想と云つて今微笑み微笑み微笑み憐れみ腐り果て
窮屈さうに愛想の御水呑み干す此の町の色の、
其れは何か誰が見付けるのか再転、
溶け込めず四苦八苦するわ是、其れ、彼れ、
彷徨ひ歩く、靴音、
今蕩けた溶解レバア橋の下に広がる留まる広がり往く若さに支配されて私達は此の町を闊歩する明らかな異彩を放ち乍ら均等な建物の並び静寂を嫌ふ町の下の下
愛し愛されている此の町に私達は庇護され育ち往く、
誰も誰もが求めてゐるものを、
私達は知る事になるだらう、
誰が何を誰が誰を欲しがるのか回転、
其れは何か誰が見付けるのか再転、
其れは未だ外気を知らずにゐる地下から
三年と謂ふ年月を経て
繭の様に、羊膜の様に、
窒息せぬやう