詩人:千波 一也
よろこびと
よろこびとが合わされば
より大きなよろこびが
生まれます
そして
よろこびと
よろこびとが合わされば
深く大きなかなしみも
生まれます
いちたすいちの
意味するところは
そうしてようやく
身につきます
わたしには
みぎの手と
ひだりの手とがあります
それだから
この手におえない数は多くて
この手から放してはいけない数は
少ないのです
あるとき
どこかのおさなごが
尋ねてきたなら答えましょう
老いたる者にも
答えましょう
たし算は
きわめてやさしい
まなざしですよ、と
きわめて強く
ほろほろ
強く
2010/03/04 (Thu)