詩人:千波 一也
仕方がないのでこの頼りないゆびさきに精いっぱいの呪文を語るしかなくてそれでいてそんな瞬間がいとおしく思えてならなくて自分の横顔をふと思い描いてみるこれまでに一度も自ら望まなかったかるくて重たい流行にそっと流れてみるそれと同時に花びらはじつに巧妙に実を捨てるそれを見つけたときのこころの音を自分はまだまだあらわせない当然といえば当然なのだけど