詩人:どるとる
他人を上から笑う笑顔にはなんの感情もない
感情のない笑顔にはそもそも笑顔という名すら勿体ない
だから笑顔とはいつでも感情が備わっているものを指す
感情のない笑顔は笑顔とはもはや呼ばない
そんなのは笑顔に非ず
ただ口をひずませつり上げただけのお粗末なものだ
笑顔には笑顔の温度があるからそんななんの感情もない冷たいものには笑顔という名すらおこがましい
だから僕らは笑顔に優しさや温かみを感じたり込めたりするんだろう
その人に向ける笑顔が少しでも丸くなるように
向けられたその人が幸せになるような笑顔であるように
だからそんな笑顔を見た僕らは甘い甘い気持ちに酔うんだね
それはアルコールにも似た素晴らしい味わいがあるから
もっと見たいもっと感じたい
そう思うんだね
その笑顔に確かな感情を感じるから
それが笑顔か笑顔じゃないかを判別する一番の方法だ
君の笑顔はとても温かいからそれはハニースマイルだね
みたいな具合に
人は人の笑顔に感情を汲み取る機能があるからもっといえば人は人の中にある感情を素直に見透かす力があるから
人は人を愛情から憎むし愛情から尊び惹かれることもある
すべては笑顔の成す力なんだ
甘いだけだと見せかけてとてつもない力を秘めた笑顔の。