詩人:かすみ
宿題の残量に嫌気がさしじっとりする服のまま腕枕で横になる垂れ下がる薄い布では遮れない日差し庭からは芝の匂いせんべい布団の上ですべてが遠くなるとき背中をつつかれた頭を動かして薄目で見るとじいちゃんの顔があった白い着物姿のじいちゃんはゆっくり立ち上がりそのまま北に去っていた あぁ、帰るんだ じいちゃんの背中を見送りもう一度目を閉じる蝉の声で気がついたときかすかな風が頬をなでた