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詩人:高級スプーンあと何年
諸々忘れてしまっても
大切なことだけ覚えている
だったらさ
一緒に眼鏡を探してくれる
知らない相手に話すんだろう
あの頃過ごした
部屋の話を
諸々忘れてしまっても
くだらないことだけ覚えている
だったらさ
嫌な顔せず体を拭いてくれる
知らない相手に話すんだろう
あの頃過ごした
部屋の話を
抱えているのは
歴史には残らない思い出ばかり
持ちきれなくて
ポロポロと
こぼれ落ちた記憶
拾う術はない
全部忘れてしまうんだ
あの頃過ごした
部屋のことも
死に際
頭に浮かぶのは
もっと別のことかもしれない
ああ
思い出にするには
まだ早い
だよな
そうでなくっちゃ