詩人:理恵
隣のばあやんちの庭で一人咲いた花は寂しかろ三年前まで暮らしてたポチの埋まる木の下で一人咲いた花は寂しかろ黒い人の涙の跡がぽつぽつついた庭先でじいやはぼうっと空見てた隣のばあやんちの庭で咲いた花は知ってるだろかもうここには誰も来ないこと黒い人が去ってから空が高くなった頃じいやは遠くへ行ってしまった隣のばあやんちの庭で一人咲いた花は寂しかろ今日もひゅるりと吹く風に一人首を振っている2017.10.21