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詩人:高級スプーン
答えの無い
問いがあるように
ぼくはまた
今日も生きている
目の前の挿話は
不確かなのか
射す光が 鮮明すぎて
よく視えない
自己が
麻痺してるという
錯覚に陥り
ぼくは耐えられず
俯いたまま姿を消した
忘却の果てで 何を吠える
弱々しい その声は
反響もせず
虚無に
かき消されてしまうのに
本当は
現実の中で
懸命に生きたいんだ
忘却の果てで ぼくは吠えた
回りくどい やり方で
ほど遠い場所から
この手で
行方知れずの自分を
掴みたくて
答えの無い
問いがあるように
ぼくもまた
今日を生きる