詩人:千波 一也
他人の不手際には
腹を立てることが多くって
他人のちいさな喜びを
目ざとく値踏みすることが多々あって
このままだと
病気になってしまいそうです、わたし
昔から
甘い物には目がなくて
今日は何を食べようかな、って
そんなことばかり真剣に考えてます
もちろんニュースも見ますけれども
関心事は
この肩幅にすっぽり収まるものだけに
やがて統一されるのでした
つかのまの涼風が
わたしだけのものになれば良いのに
つかれた感じの景色はすべて
生まれ変われたら素敵なのに
誰かに優しくするってことは
わたしも同じようにして欲しい、ということの
裏返し
よほど理不尽な運命を生きてきたのなら
そんな理屈は通じないけれど
みんなたいがい
凡人です
毒、といえば
蜘蛛とかヘビとか林檎とか
安易な言葉でお答えできますが、なにか問題でも?
理想、といえば
マイホームとか相思相愛とか贅沢三昧とか
問題なくお答えできますが、なにか間違っていますか?
わたし、
長生きしてみようと思うんです
なぜなら
死にたくないからです
なぜなら
長生きしてみようと思ったからです
ろくな生き方ってどんなものでしょう
ろくな死に方ってどんなものでしょう
なんとなく、
わかるような気がしていますが
なんとなく、確信はなくて
かしこい感じで
溜め息なんぞ
ついてみます
窓の向こうに
同じポーズであくびする
野良猫ちゃんを目で追いながら
愚痴っています
わたしはきょうも。
わたしには、
長生きなんてできるのかしら
わたしにも、
願いをかなえる権利がほしい
絶対、
欲しいっっ!