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[153130] やさしい歌

詩人:どるとる


やさしい歌を歌いたい
曲がりなりにも誰かのためになるような
やさしい歌を歌いたい
歌とはいっても口では歌わない
歌いたいのは心で歌う歌なのさ
誰かの心の中に降る雨を弱まらせられるようなありふれた歌を歌いたい
飾らない言葉で
声じゃないから耳では聞こえない歌を心で感じてほしい

悲しみと喜びのあいだの少しの休息がなにげなく僕を救っているのさ
涙もすぐ乾くさ
誰かに優しくできた1日はすばらしいといえる1日だ

今日を頑張った自分を誰かが認めてくれなくても
自分自身が認めてあげればいいじゃないか
他人の評価に優しさやぬくもりがないならばそんな評価はただの雑音だ
聞かなかったことにしてはなまるをあげなさい 今日1日を死に物狂いで生ききった自分に
ほら 遠慮なんかすることはないんだ

空が赤く染まればどこからともなくやさしいメロディが流れてなぜか胸が熱くなる
こみ上げる言いようのない気持ち
今日1日の様々な出来事と交わるようにほらやさしいメロディと心の中に浮かんだやさしい言葉
この街にも見えないだけで耳をすませば聞こえるはず
やさしい歌の種がそこらじゅうに植わってるはずだ

やさしい歌を歌えばたちまち涙が流れて
止まらない まるで雨のように あたたかく頬を何時間も伝う
世界中の時が止まったように不思議な感覚が胸を突き刺す
痛いのになぜか心地いい
今、やさしい歌に包まれている 僕はとても幸せ
言葉になんかできなくたっていいんだよ
ただ そんな気持ち感じれたら いいから

悲しいだけの涙がすばらしい微笑みに変わるその瞬間を見逃さないで すべてが悲しみで滲んでしまうまえに 笑っていた自分を記憶に焼きつけて
そして また涙と笑顔の数だけ
折り重なるいくつもの夢と思い

やさしい歌はまた笑顔になった僕を見て安心したのかどこかで泣いてる誰かのもとへと流れてゆき
涙の痕だけ残す。

2010/02/08 (Mon)
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